ぐれーとふる365 

子供の読書成長記録(洋書和書)多読というらしいですが、語数はカウントしてません。

The remains of the day

 

The Remains of the Day

The Remains of the Day

 
  • Paperback: 272 pages

友人たちとの食事会でカズオイシグロ氏がノーベル文学賞を受賞したことが話題に上がりました。氏の作品を読んでた人は13人中私を含めて二人だけで、ブッカー賞受賞し映画化された作品もいくつもある作家なのに案外みんな読んでないんだなあと意外に思いました。

私が読んだのはThe remains of the day と Never let me goの2作です。私が氏の本を手に取ったのは、大好きな料理研究家、行正り香さんのエッセイを読んだから。英語力を生かして活躍されている行正さんがはこの作品が大好きだそうで、「とても美しい英語」で書かれていると紹介されているのが、深く深く私の中に刻まれて、一番最初に手に取った洋書でした。

 

コーンウォールまでの湾岸ドライブの風景が目の裏に浮かびコーンウォールはいつか行きたい場所になりました。執事としてのプロフェッショナルを貫く姿は美しいが、哀しさも漂う。しかし、この作品に描かれている職業意識の高さ、それは今の英国ではそうそうお目にかかれないものなのではないか。プライド作品自体は10年前の私でも読める読後爽やかさを残す作品でしたが、行正さんのいう美しい英語、は残念ながら私には味わえませんでした。今読んだら、その美しさを感じれるのかな。もう一度読み返してみようと思います。

 

 

The remains of the dayのことを思い出してたら、Downton abbeyを無性に見たくなってしまった。この大ヒットドラマ観たことが無いのです。昨年はクリスマスシーズンのボックスセットがお安く売られてたので、今年は入手しようかな。

 

 

 

 

Grandpa's great escape

 

Grandpa's Great Escape

Grandpa's Great Escape

 
  • Paperback: 464 pages
  • Age Range: 9 years and up

   ⭐️⭐️⭐️⭐️

 

   Up, up and away!

  ジャックのおじいちゃんは第二次世界大戦で活躍したスピットファイアーのパイロット。ジャックはおじいちゃんと戦争の映画を見たり、インペリアルミュージアムに戦闘機を見にいったりして過ごすのが大好き。でもおじいちゃんは物忘れがひどくなり、ついに老人ホームへ送られることに。でもその老人ホームはとんでもなく恐ろしい場所だった。大脱走を画策するジャックとおじいちゃんの大冒険が始まる。。。

 

今まで読んだDavid Walliamの作品の中で一番よかった。子供に読ませてもいいと思った作品。ミュージアムで展示物によじ登って壊したり、飛行機を持ち出したり、いつものごとくありえない無責任な行動がてんこ盛りなのだけど、今回は主役のおじいちゃんのキャラが魅力的でそれに勝る感じ。飛行機でガソリンスタンドで給油するシーン、ありえないけど、面白い。そして、最後の瞬間、ジャックを孫と認識して我に返理、お別れするシーンが好き。

作品を通して第二次世界大戦で国を守るために戦った軍人に敬意を感じるところがいい。日本のために戦った零戦パイロットたちのことを思わずにはいられない。永遠のゼロがベストセラーになったのは記憶に新しいが、でも子ども向けでゼロ戦パイロットが主役の作品、しかもそれが国民的読本になるなんて、ちょっと日本では考えられないのではないだろうか。戦争の悲惨さを伝える作品は数多あれど、国のために戦った軍人を、ジャックのおじいちゃんみたいに英雄として書いたら、それこそ大騒ぎになるのではないだろうか。これが戦勝国敗戦国の違いなんだろうか。国のため、それはどの国の兵士も同じだったはず。慰霊参拝することを他国から干渉を受け、しかも多くの自国民が批判する。そんな国が他にあるのだろうか。この本が日本語訳されて、日本の子供達に読む機会があればいいと思う。内容はともかく、軍人への敬意がある。平和学習で、戦争は悪、と教えられる日本の子供たち、それは正しい。でも、慰霊参拝が議論を呼ぶこと自体がおかしいと言う気づきになるんじゃないだろうか。

 

靖国神社「みらいとてらす」イベント。9月に開催される夜の特別参拝。ライトアップが美しい。いつか参拝したい。

 

 

Gangsta Granny

 

Gangsta Granny

Gangsta Granny

 

 ⭐️⭐️⭐️

  • Paperback: 304 pages
  • Age Range: 9 - 12 years

 

David Walliamsはもういい、と言いつつ、老人を主人公にしているのはいいかもと、手に取って観た。

Benは勉強が苦手で Plumberになりたい11歳の男の子。毎週金曜日は両親がデートナイトのため、おばあちゃんちに預けられる。退屈で、キャベツばかり食べてるおばあちゃんと過ごすのがいやでたまらないベン。ある金曜日、ベンはビスケットの缶の中に宝石が詰まっているのを発見する。にわかにおばあちゃんへの興味を掻き立てられるベン。おばあちゃんは見た目からは想像できない大泥棒だった。。。?!

 

World book dayで定番の仮装になりつつあるこのGangsta Granny、去年のクリスマスには舞台化もされてました。David Walliamsらしい、と思うのが、ボールルームダンスに夢中の両親。実在のテレビショーを持ち出してくるところがさすがテレビ人。本当にいるんかな、と思うけど、居そう、と思えちゃうところが面白い。そしてキャベツくさいおばあちゃん。。。。キャベツ常に売り場にあるけど、イギリス人はキャベツそんな食べてるんかな?そんなシチューやらパイやら手間暇かけて調理する人いなさそうだけど。。笑

 

まあ、荒唐無稽なお話です。クイーンの宝石を盗みにいくとか無茶振りもいいところ。でも嫌いだったおばあちゃんのことが好きになっていく下りがいい。好きなのは老人スクーターで高速道路を走ってパトカーに止められるところ、David Walliamsの映像の方が目の裏に浮かんでくる。んーコントでみたいなあ。アマゾンでは低いレビューをつけている人たちも結構いるんだけど、最後が悲しくて子供が読むのにふさわしくないと言う意見。おばあちゃんはガンで余命宣告されているわけなんだけど、命あるもの誰しも死ぬわけで、ひどい話とは思わない。それより孫に疎まれていたおばあちゃんが一転惜しまれてお別れとなる展開が私はとてもいいと思う。最後は皆憎まれていくより、惜しまれて迎えたいよね。こう言うのに文句をつける人は対象年齢表示をしっかり参考にした方が良いのでしょう。私は、おばあちゃんのガンのトピックは構わないんだけど、それよりテレビに夢中で息子をボールルームダンサーにしたい両親やPlumberになりたいことを隠してることとか、そう言う方がうちの子供には理解できないので読むのはまだまだ早いと思ってます。我が家の7歳児は法を犯す事をとてもとても嫌うので、泥棒するというストーリーもきっと嫌がりそう。。。

 

 ちなみにBenの両親が夢中なテレビ番組がこれ。

新シーズンも始まったところ。かつて私もダンスが大好きで時間もお金も注ぎ込んでた時代があったけど、この番組は個人的に夢中になる要素はないんだな。

 

 ところでオーディオブッックは著者の David Walliamsが朗読してるらしい。それは絶対絶対面白いに違いない!!!こ何気にMat Lucasの名前まで入ってる!ゴールデンコンビ!!おばあちゃんやニュースエージェントのインド系ラージ、どんな風に演じてるか聞こえてくる気がする!これは本を読むよりオーディオブックを聞いてみたいぞ!

 

The World of David Walliams CD Story Collection: The Boy in the Dress/Mr Stink/Billionaire Boy/Gangsta Granny/Ratburger

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Fantastic Mr.Fox

 

Fantastic Mr. Fox

Fantastic Mr. Fox

 

 

  • Paperback: 112 pages
  • Age Range: 7 - 9 years

 

いちばん易しい気がする。

よくテレビでこの映画をやっている。観ようとしたことがあるんだけど、テレビ命の娘にすら退屈な映像で、10分我慢できず。あの印象だと、原作も大して面白くなかろう、と読まないだろうなと踏んでいたけど、さらっと読んでました。特に感想もなかったけど、思ったほど悪くはなかったです。

映像を先に目にしているチャーリーとチョコレート工場も読む気がなかったんだけど、原作は面白いかも、読んで観ようという気になりました。映画を先に見ちゃうと、ダメなこと多いですね。BFGが面白かったという娘に、じゃー今度映画見て観ようか、と聞くと、「観なくてもいい」でした。本の挿絵のBFGワールドが娘の中で出来上がっているので、映画予告に登場するおじいさんに違和感を覚えるのかもしれません。Dahl作品結構読みました。次はチャーリーとチョコレート工場だな。BFGの英語が面白かったと言ってたので、Witchesも娘には面白いかもしれない。

ファンタスティックMr.FOX スペシャル・プライス [DVD]

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George's marvelous medicine

 

George's Marvelous Medicine

George's Marvelous Medicine

  • 作者: Roald Dahl,Quentin Blake
  • 出版社/メーカー: Puffin Books
  • 発売日: 2007/08/16
  • メディア: ペーパーバック
  • 購入: 1人 クリック: 8回
  • この商品を含むブログを見る
 

 Paperback: 128 pages

Age Range: 7 years and up

🌟🌟🌟🌟

 

とっても憎らしく意地悪なおばあちゃん。毎日飲む薬はちっとも効いてないんじゃないか。ジョージは自分で薬を作るいたずらを思いついた。あれやらこれやらを混ぜて出来上がった薬を飲んだおばあちゃんは、みるみる巨大になって。。。ジョージはすごい薬を作ってしまった!

 

Dahl  作品の中でこの本が唯一タイトルと表紙からずっと娘が読んでみたいと言ってたのがこれ。貸してもらってラッキー。薄い本でサクサク読めました。ファームの動物を魔法の薬で巨大化できたら、本当に世界を飢餓から救えて素晴らしいなあ。そして、最近、自分の「後始末」について考える私には、最後の薬(豆粒になる薬)がとても魅力的に映った。孤独死の展示作品の画像をみたせいか、残る肉体のことが頭にくっついてるのだ。私ごときの肉体でも、しかばねというものは厄介なのだなあと。この世をさる時にはジョージの薬で、おばあちゃんみたいに消えれたら、後に残すものがなくていいなあ、なんてね。

 

 

The BFG

 

The BFG

The BFG

 

 🌟 🌟 🌟 🌟 🌟

お友達に借りたDahl本つづき。

以前図書館で借りて来たときは見向きもしなかったのですが、Twitsが面白かったので、続けてどんどん読んでます。

The BFG、私には1章だけがとんでもなく魅力的だけど、あとはあまりその世界観には入れなかった作品だったのだけど、一方娘にはとても面白かったらしい。本を読むのは好きだけど、こちらでは読書感想文を書くという習慣がなく、本についても面白い以外の感想が出てこない娘。あまり理解できてないのでは、とあれこれ聞いたりするのだけど、あまり答えを引き出すことに成功せず、ちゃんと読めてるのかな?と疑問に思っていました。ところが、この本を読んだあとは、面白かった場面について娘から滝のように言葉が溢れて来て、びっくりしました。まず、巨人のネーミングからしていかにも怖そうな名前が並んでいるのが面白かったらしい。まずいSnozzcucmberも相当興味を引いたみたい。私が苦手だった、変な英語も、それがまた娘には面白い。この辺は彼女は私と違って英語話者になりつつあるのだなあ。。と感心。そして、夢を捕まえる、夢をミックスする、とかそういう奇想天外の話がとても鮮烈な印象を残したようで、一生懸命話してくれて、そんな娘の姿にびっくり。最近生意気になりつつある娘、そんな作り話あるわけない、と一蹴するのではと思ってた。子供の心を掴む人気の本だけあるのだなあと、私の感性で児童書を選んではダメだなあと思わされました。

 

 

The Twits

 

The Twits

The Twits

 
  • Paperback: 112 pages
  • Age Range: 7 - 9 years

   ⭐️⭐️⭐️⭐️

Roald Dahl は、”Matilda”” Danny the champion of the world”の2冊を読んだ後、図書館で私が借りて来ても興味を一向に示さずBeast Questに溺れていた娘。ちょうどBeast Questの在庫が尽きたタイミングで、お友達が何冊かRoald Dahl 本を貸してくれました。その中から真っ先に手を取ったのがこの本。World book dayの時に、クラスメートが面白いと言ってたらしい。

とっても意地悪で、とっても不潔な夫婦のお話。お互いに意地悪をやり合い、後半はいじめている動物たちに仕返しをされてしまう。先に読んだ2冊のDahl本に比べてかなり短く、面白い、と喜んであっという間に読了。子供には汚い描写や意地悪返しが面白くて仕方なかった様子。Roald Dahlの作品でいちばんのお気に入りとなりました。私も苦手な造語や変な英語表現がないので、読みやすかったです。