ぐれーとふる365 

子供の読書成長記録(洋書和書)多読というらしいですが、語数はカウントしてません。

The boy in the dress

 

Boy in the Dress

Boy in the Dress

  • 作者: David Walliams
  • 出版社/メーカー: HarperCollins Children's Books
  • 発売日: 2009/06/01
  • メディア: ペーパーバック
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Reading Age: 9+

Interest level: 9+

240page

⭐️⭐️

父親と兄と暮らす12歳のDennis。7歳の時に両親が離婚、母にまつわる思い出のものは一枚の写真のみ。写真の母が着ているのと似たドレスの表紙を見つけ思わずファッション誌Vougueを購入したDennisは、初めて手に取る女性誌から女装への興味が芽生える。学校の人気者Lisaとの出会い、Lisaに促されて女装を始める。Dennisは女装に心地よさを覚え、ある日学校に女装していく。。。。

 

David Walliamsの作品第1作。彼の作品を読んだことがない我が子ですらその名を知っているくらい、今最も売れてる児童小説作家の一人というので、初めて手にとって見た。

正直、私はこの本は好きじゃない。cross-dressingの嗜好をもつ少年と、その周りの反応を描かれている。cross-dressingは、なんらおかしなことではないというのがメッセージなのだろうが、うわべ的で、単に思春期の子供が興味をそそる素材を取り上げた薄っぺらな印象を受ける。それは、Walliamsが自らLittle Britainで演じていたヒゲの女性を思い出さずにいられないからかもしれない。実際、作品の中には、Little Britainで見たようなジョーク描写がちらほら見受けられる。私はLittle Britainが大好きだけど、女装のエミリーを面白おかしく演じていたWalliams氏が、cross-dressingは非難されるようなことではない、受け入れようと言っているのに、なんだろう、あざとさを感じてしまう。

 

amazonのレビューは総じて高いが、低い点をつけているレビューを見過ごせない。読み聞かせしていたら「ポルノ雑誌」の言葉が出てきて、ポルノの説明をしないといけなくなった、年齢表示がふさわしくない、という親からによるものが多かった。私も、子供が読む前に一読したのだが、くだんのポルノの言葉が出てくるよりもはるか前の時点で、これは子供に読まさないでおこうと思った。離婚家庭、母親が去り、自暴自棄気味な父親、テイクアウェイや缶詰の毎日の食事、人生相談番組、癖のあるニュースエージェントの主人、化粧をする中学生。。。どれも、我が家の6歳には無縁で、そして今知る必要がない世界である。対象年齢は8−12歳、となっているが、子供が中学生になり自ら手に取るようになるまで勧めたくない。同じ12歳でも、Famous fiveに出てくる12歳の少年少女の物語とは大違い。Famous fiveに描かれた一昔前の、お金持ちの少年少女の繰り広げる冒険より、Boy in the dressのDennisの日常の方が今の子供たちにはよほど現実的で慣れ親しんでいるだろう。でも、子供はまだ今はファンタジーを楽しんでたら良い。教会のパネルに秘密の入り口の扉はないかと、一枚一枚叩いていた我が子の様子を思い出しながら、そう思う。他のWalliamsの作品は同作よりはるかに良いという意見が多いので、読んでみようとは思っている。