Grandpa's great escape
- Paperback: 464 pages
- Age Range: 9 years and up
⭐️⭐️⭐️⭐️
Up, up and away!
ジャックのおじいちゃんは第二次世界大戦で活躍したスピットファイアーのパイロット。ジャックはおじいちゃんと戦争の映画を見たり、インペリアルミュージアムに戦闘機を見にいったりして過ごすのが大好き。でもおじいちゃんは物忘れがひどくなり、ついに老人ホームへ送られることに。でもその老人ホームはとんでもなく恐ろしい場所だった。大脱走を画策するジャックとおじいちゃんの大冒険が始まる。。。
今まで読んだDavid Walliamの作品の中で一番よかった。子供に読ませてもいいと思った作品。ミュージアムで展示物によじ登って壊したり、飛行機を持ち出したり、いつものごとくありえない無責任な行動がてんこ盛りなのだけど、今回は主役のおじいちゃんのキャラが魅力的でそれに勝る感じ。飛行機でガソリンスタンドで給油するシーン、ありえないけど、面白い。そして、最後の瞬間、ジャックを孫と認識して我に返理、お別れするシーンが好き。
作品を通して第二次世界大戦で国を守るために戦った軍人に敬意を感じるところがいい。日本のために戦った零戦のパイロットたちのことを思わずにはいられない。永遠のゼロがベストセラーになったのは記憶に新しいが、でも子ども向けでゼロ戦パイロットが主役の作品、しかもそれが国民的読本になるなんて、ちょっと日本では考えられないのではないだろうか。戦争の悲惨さを伝える作品は数多あれど、国のために戦った軍人を、ジャックのおじいちゃんみたいに英雄として書いたら、それこそ大騒ぎになるのではないだろうか。これが戦勝国と敗戦国の違いなんだろうか。国のため、それはどの国の兵士も同じだったはず。慰霊参拝することを他国から干渉を受け、しかも多くの自国民が批判する。そんな国が他にあるのだろうか。この本が日本語訳されて、日本の子供達に読む機会があればいいと思う。内容はともかく、軍人への敬意がある。平和学習で、戦争は悪、と教えられる日本の子供たち、それは正しい。でも、慰霊参拝が議論を呼ぶこと自体がおかしいと言う気づきになるんじゃないだろうか。
靖国神社「みらいとてらす」イベント。9月に開催される夜の特別参拝。ライトアップが美しい。いつか参拝したい。