The hidden oracle
The Hidden Oracle (The Trials of Apollo Book 1)
- 作者: Rick Riordan
- 出版社/メーカー: Puffin
- 発売日: 2017/05/04
- メディア: ペーパーバック
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太陽神アポロはゼウスの怒りを買い、神力を失い17歳の人間として地上へ落とされてしまう。オリンポスに戻るためには試練を乗り越えゼウスに認めてもらわねばならないが、その試練とは?果たして神に戻れるのか、このまま人間として終わることになるのか。。
Percy Jacksonに出会って以来すっかりギリシャ神話にはまっている娘。先日出かけたコンサートホールでもアポロとパンの音楽腕比べをモチーフにした大きなアートが壁にかかってるのをいち早く発見。アポロはポセイドンについで好きな神様らしい。
Percy Jacksonに続くシリーズ作品はまずHeroes of Olympus なのだけど、前シリーズ16歳になったパーシーが成長していくだろうから、ロマンスが入ってくるのは必至。それはちょっと早かろう、あえてTrial Apolloシリーズを選んだのだけど、登場人物や設定がよくわからないところがあった。Heroes of Olympus時系列的に読んでいれば合点がいく見たい。この後はアポロシリーズはお休みしてHeroes of Olympus に戻る予定。私は今回のシリーズはいまいち。今までは神話の人物の話だったのが、歴史上実在するローマ皇帝ネロを悪役と登場させ、ローマ大火やキリスト教徒処刑、黄金宮殿建設など史実を織り込んでるのだけど、個人的にこういう手法は好きじゃない。現に戦争漫画や小説に描かれてることが戦争だと思ってしまってる人たちたくさんいると思う。本当の話の中にちょっとの嘘を混ぜると、ショッキングな話ほど効果的だなと感じてる。そんなわけで、歴史を学ぶ前の子供にはフィクションとごっちゃになり、先入観を与えてしまって危険と思うんだよね。ネロにだって善政と評価されてる面もあるわけですし。でもまたローマ史を読みかえすきっかけになりそう。
アポロがデメテルの娘メグと二人三脚ラビリンスレース中にたどり着くのがデルポイ。デルポイの番人PytonとBeastが the Groove of Dodonaを破壊しようとしているのを知る。デルポイはギリシャ最大の聖地で信託を受ける予言の神アポロを祀っている。世界遺産。神殿入り口には3つの有名な格言が刻まれている。
ー汝自身を知れ
ー過剰の中の無、過ぎたるは及ばざるが如し
ー誓約と破滅は紙一重、無理な誓いはするな
Pyton
ガイアの子でデルフォイの信託所の番人である巨大なへび。アポロの母レトが出産するのを妨ごうと追い回したPytonを産まれてすぐのアポロが弓矢で殺す。レトはPytonだけでなくゼウスの子を身ごもったことで女神ヘラの恨みを買い、全ての土地で出産できないようになり、出産地を求めて放浪することになる。さらにヘラは巨人ティテュオスにレトを襲わせる。(巨人は怒ったゼウスの雷撃で殺される)
アポロンは産まれてすぐに大蛇のピュートン(大地の女神ガイアの息子)を矢で殺し母の恨みを晴らす。それまでこの地を治めていたガイアに代わり信託を行うように。アポロンはピュートンの亡骸を「ヘソの石」の下に埋め、手厚く葬った。
Dodonaはギリシャ北西部イピロスに存在した最古の神託所。
悪役として登場するのがローマ帝国 第5代皇帝ネロ
詩歌、音楽を好んだネロは芸術の神アポロを崇拝していた。ネロ肖像の裏面にアポロが記載されたコインも発見されている。Dodona、キャンプを破壊する時には64年のローマ大火(9日間でパラティーノとチェリオの丘を焼き尽くした)を思わせる火事を起こし、Colossus Neronis を戦わせる。Colossus Neronis はネロが作らせた30mある金メッキの巨大なネロ像。のちに太陽神の頭に挿げ替えられる。その後像はコロッセオ横に移転、以来闘技場はColossus(像)に由来してコロッセオと呼ばれるようになったとか。今は台場しか残っていない。
ローマ大火(64年)
9日間続き、パラティーノとチェリオの丘を焼き尽くした。ネロは火災に強いまちづくりをとローマ再建。その後着手した黄金宮殿ドムスアウレアが皇帝への不信と反感を買うことになり、ローマ大火はネロの放火だという噂が広まる。キリスト教徒の処刑はこの風評を消すためという説もある。
像は残っていないので、こんな感じかなーと想像。
アポロはColossus Neronis の耳の中に疫病の矢を打ち込みなんとか撃退に成功するが、その結果hayfeverが広まることになるというオチはなかなか面白買った。アポロは医術の神と思ってたら、もともと疫病神の性格を持ち合わせてたのが転じて医術の神としても信仰されたそう。
アポロの回想で有名な神話のシーンが登場
アポロとダフネ
恋の神エロスがバカにしたアポロに仕返しで、恋の黄金の矢でアポロンを、その愛情を拒絶させる鉛の矢をアポロの前の前にいたダフネに向かって撃つ。アポロはダフネに恋をし追いかけるが、ダフネはアポロから必死で逃げることに。逃げるのにつから月ただ船は湖畔に追い詰められて川の神、父ペーネイオスに頼み、月桂樹に姿を変えてもらう。樹になったダフネを見てアポロは嘆き悲しみ、永遠の愛の証として月桂樹の枝から月桂冠を作り永遠身につけている。アポロのお祭り、デルポイのピューティアー大祭の競技会優勝者には月桂冠が与えられるようになる。
アポロとヒュアキントス
あるとき、アポロンと西風の神ゼピュロスは美少年ヒュアキントスをとても気に入りアプローチ。しかし、アポロンに好意的なヒュアキントスに嫉妬したゼピュロスは、アポロンとヒュアキントスが円盤投げしているときに風を吹かせ、盤はヒュアキントスの頭に直撃し死んでしまう。アポロンは酷く悲しみ、少年の頭から流れた血からは赤い花が咲きヒアシンスの花が誕生した。